多くの経営者は、商標登録が完了すると「やっと終わった!」とホッと一息つきます。しかし本当の価値は、「登録証」という紙にあるのではなく、それをブランド競争力の武器としてどう活かすかにあります。
私が多くの講演で繰り返しお伝えしているのは──
「商標登録は、知的財産を守り活かすための出発点にすぎない」ということです。
この記事では以下を中心に解説します:
- 商標登録後によくある誤解とミス
- 「攻め」と「守り」の視点から商標をどう活用するか
ブランドが知財を実務に活かす具体的方法
1. 登録しただけで安心?よくある4つの誤解
①「登録が終われば、それで十分」
商標権は「使用してこそ生きる権利」です。
使わなかったり、適切に使用していなかったり、権利を主張しなければ、取り消しや独占効の喪失につながる可能性があります。
②「証書を持っていれば誰も使えないでしょ?」
実際には、他者の侵害を放置していると、裁判所に“黙認した”と判断されてしまうことも。将来の権利行使が不利になる恐れがあります。
③「ロゴは使っているけど、登録していないだけ」
文字だけ商標登録していてロゴやビジュアルを保護していないブランドが非常に多く見られます。主視覚が模倣された際、保護できず損をするケースが多発しています。
④「台湾だけ登録しておけばいい」
越境EC、海外パートナーシップ、展示会参加などを行う企業は、**現地で商標登録をしていないと、他人の権利を侵害するリスクが高く、**トラブル時には国際訴訟に発展する可能性も。
2. ブランドの「攻防戦」の基本
✅ 「攻め」とは?
商標権を積極的に活用して他者からブランドを守る行為:
- 類似商標への異議申立て、無効審判、取消請求
- 弁護士通知書の送付、ECプラットフォームでの出品削除申請
- Amazon Brand Registryなどの制度を活用し、ブランドを守る
- 模倣品や先取り出願への対策として先に行動する
✅ 「守り」とは?
他者の権利を侵害しないように注意しつつ、自社の商標の効力を維持すること:
- 異議申立てや無効審判が出されていないか定期的に確認
- 商品展開の際、他社の商標権を侵害しないよう調査
- 使用証拠(契約書、広告、パッケージなど)を日常的に保存
- 契約書における商標の帰属・使用条件を明記
攻めと守りを両立させることが、商標を正しく活用する鍵です。
3. 商標活用の3つのレベル
① ブランド自己防衛レベル(基本の守り)
- 文字+ロゴ商標を出願
- 類似商標を定期監視
- 模倣を発見したらすぐに警告または申立て
② ブランド資産化レベル(価値の可視化)
- 商標のライセンス契約:フランチャイズや代理店に使用許諾し、収益化
- 商標譲渡:M&A時にブランド価値として評価される
③ 戦略的ブランド展開レベル(拡大と防衛)
- 国際出願:複数国に同時展開し、リスクを分散
- 主要市場での権利取得により、競合の侵入を防止
- キーワードやブランドイメージを早期に押さえ、販路と連携し「ブランドの堀」を築く
4. 実例紹介:ブランド攻防戦の実務
◾ケースA:守りに成功 ── 大手日系企業による異議申立てを阻止
- 台湾企業の商標登録後、3ヶ月以内に大手日系企業から「類似商標」として異議が提出される。
- 弊社が使用実績を証明し、両商標の相違点と相手商標の周知性の欠如を主張。
- 結果、異議は退けられ、商標権を維持することに成功。
◾ケースB:攻めに成功 ── 既存の類似商標を取消
- クライアントが希望する商標名が既に登録済みだった。
- 登録商標が適切に使用されていないことを理由に取消請求を提出。
- 取消が認められ、新たな商標出願が可能に。
再次強調,我們並非提供一次性專業服務的公司,我們的價值是陪伴企業發展永續經營,讓您活用、守護自己的智私たちは単なるスポット型のサービスではありません。
ブランドと共に歩むパートナーとして、知的財産の運用と保護を支援します。
5. 今すぐできるチェックリスト
既に商標をお持ちの方へ──以下の質問にお答えください:
- ご自身の商標がどの範囲を保護しているか把握していますか?
- 類似した名称を使っている同業者はいませんか?
- 使用証拠を日常的に保存していますか?
- 使用契約書に商標の帰属や利用制限が明記されていますか?
ひとつでも「分からない」がある場合、リスクにさらされている可能性があります。
6. 結論:商標登録はスタートラインにすぎない
商標登録は「証書を持っているだけ」では不十分です。
継続的な活用、市場や競合の変化への対応、そして法的リソースの活用こそが、商標をブランド戦略の武器へと昇華させます。
商標運用上の注意点:
- 登録商標には「®」を記載しましょう(右上または右下)。登録済みであることを示すサインです。
※登録前に®を使用すると、消費者を誤解させ、不当表示として公平取引法違反になる可能性があります。 - 登録から5年経過すると、商標の安定性が増します。
積極的に使用し、使用記録を保管しましょう。 - 他人が無断で商標を使用しているのを発見した場合:
代理人や弁護士を通じて警告書を発行し、使用停止・損害賠償を求めることが可能です。
私たちが支援しているブランドオーナーたちは、皆知っています。
商標の真の価値は「使ってこそ」活きるということを。
あなたは、知的財産を活かす準備ができていますか?
📩 商標の現状をチェックしたい方へ──
初回無料の簡易分析・アドバイスを提供中です。ぜひお気軽にご相談ください!
📌 公式LINE登録 / フォーム入力で,無料相談受付中です!

